教育環境デザイン実績

ここでは「知識構成型ジグソー法」授業の実践を「教育環境デザイン実績」として集計しました。積算の場合は、2022年度(令和4年度)分までです。

 

これまでの研究授業数 5,085+

CoREFが活動を始めた2010年(平成22年)から毎年刊行している年次報告書に掲載されている公開研究授業数の積算です。

※集計は研究授業のみなので、普段の授業での実践はカウントされていません。

 

これまでの開発教材数 3,024+

CoREF年次報告書に附属するDVDに収録された「知識構成型ジグソー法」の授業実践済みの教材数です(アレンジや追試も含まれています)。このすべてに授業案・教材・振り返りシートが収められています。

 

これまで授業を受けた児童生徒数(のべ) 91,795+

開発教材の「授業案」に記載されている児童生徒数の積算です。つまり、確実に「知識構成型ジグソー法」授業を受けたと言える学習者ののべ人数です。

先生方へのアンケート等に基づけば、日常的な授業で「知識構成型ジグソー法」授業を受けたことがある児童生徒数は、この30倍程度(のべ約250万人)と推定できます。

 

今年度の連携教員数 1,665

2023年度(令和5年度)の「新しい学びプロジェクト」の研究推進員、サポートメンバー、「未来を拓く『学び』プロジェクト」の研究開発員の先生方の合計です。

 

今年度の連携自治体等の数 31

2023年度(令和5年度)の「新しい学びプロジェクト」の連携自治体、団体等の数です。

 

実績概要

CoREFは2010年(平成22年)に「新しい学びプロジェクト」を全国9市町(13名の研究推進員の先生方)と、そして「未来を拓く『学び』プロジェクト」の前身事業を埼玉県(10校26名の研究推進員の先生方)とスタートさせました。先生方は、「知識構成型ジグソー法」をご自身の授業で使えるかを取組の中心として、年数回の対面での授業づくりの協議会や、学校に帰ってからもメーリングリストで学校や自治体を越えて相談しながら授業をつくり、公開し、結果をメーリングリストや報告会で共有しました。

その蓄積ももとに「知識構成型ジグソー法」は、2014年(平成26年)11月20日に、現在の学習指導要領を文科省大臣が中教審に諮問した際の資料(p.52)に「初等中等教育におけるアクティブ・ラーニングの取組例」の一つとして紹介されました。

2015年(平成27年)には、東京大学でこのCoREFの取組を主導した三宅なほみ先生が亡くなる痛手もありましたが、各教育長や教育委員会、そして何よりも先生方、児童生徒のこの取組を続けたいという真摯な思いに支えられ、各種産官学のご支援もいただきながら、取組を持続・発展してきました。

その量的な成果が上記の各種実績に見る通りです。それに加えて、先生方の課題意識も「自分の授業に『知識構成型ジグソー法』が使えるか、どう使えるか」から、「そこで子どもはどう学び、それを次の授業ではいかにより良く支援できるか」、つまり授業研究へと変わってきました。

この「知識構成型ジグソー法」を用いた授業研究を支えるテクノロジとして、メーリングリストの授業相談と開発教材をアーカイブした「学譜システム」や授業中の子どもたちのつぶやきを収集・自動認識して音声・動画等とともに提示する「学瞰システム」も科研費基盤S研究「評価の刷新」の助けを借りて開発しました。これにより授業研究のステップがサイクルとして機能し、先生方の授業における学びの見とり(学習評価)から次の授業づくり(デザイン)へという過程を一層支援できるようになりました。

建設的相互作用を教室に持ち込むための協調学習、そして協調学習を引き起こしやすくするための型としての知識構成型ジグソー法というペダゴジーに支えられ、そのペダゴジーを授業やさまざまな場面で実現しようとするコミュニティ、そしてコミュニティの中で使われ、育てられ、進化するテクノロジ、この三つを一体的な武器として教育改革を実現しようとすることがCoREFの強みと言えるでしょう。