【報告】シンポジウム&ワークショップ『科学と教育の未来のために』
協調的な学習デザインの典型として国内外で高い評価を受けている「仮説実験授業」。提唱者板倉聖宣氏の80歳を記念し、その成果を再検討し、科学と教育の未来について考え合う一連のイベントを開催しました。
メインイベントとして2日午後に開催された板倉氏とCoREF副機構長・三宅によるシンポジウムには、300人以上の参加をいただき、会場の議論も盛り上がりました。2日午前の「科学教室」では、学生・教育関係者・研究者など70人以上の参加者に《温度と分子運動》を楽しんでいただきました。また、3日午前と午後に亘って行われた、《力と運動》の授業書体験&運営講座では、教育関係者を中心に40名ほどの参加者が、生徒の視点から授業の展開と方法を学んでくださいました。
1.シンポジウム「科学と教育の未来のために」
【第1部】講演
・「これまでの私の仕事と、これからの展望」板倉聖宣(仮説実験授業研究会 代表)
・「学習科学と仮説実験授業」三宅なほみ(大学発教育支援コンソーシアム推進機構 副機構長)
【第2部】対談
・板倉聖宣×三宅なほみ「いま、仮説実験授業を語る」
講師:犬塚清和(仮説実験授業研究会 事務局長)
参加者の感想より:
・温度というのは、分子運動の激しさだということに、改めて気付かされました。水蒸気が紙を燃やすなんてビックリ!!マッチの火がついたときはオオーと思いました(Nさん)
・大変興味深かった。発展的な内容、生活の中からの話題も盛り込まれていてよかった。見知らぬ方々と、授業が進むにつれて一体感がでてくるところが、大変良い。この授業の持つ力だと思う。みんなで楽しく話し合いながら学ぶのは楽しい。(Uさん)
3.ワークショップ②「仮説実験授業体験&運営講座―《力と運動》の授業を楽しむ」
講師:井上勝(仮説実験授業研究会 全国委員)
参加者の感想より:
・いろいろな実験方法が紹介されていて、興味深かった。とてもわかりやすく伝わってきたのでとても参考になった(Oさん)
・今、ちょうど中学生と《力と運動》をやりはじめているところで、参加者の反応をみていると、中学生と同じで非常におもしろかったです。まったく同じところで笑いがおこり、うなづきが起こります(Kさん)
・1問1問に集中しているだけで、いつのまにか1つの法則(概念)をつかませてくれるのがとても気持ちいい。日常生活とのかかわりが必ずはいっているから、普段の生活がちょっと輝きを増す気がする。このような教材を使えば、私の授業を受ける子どもたちがこんな風に感じてくれることもあるかもしれないと思えて幸せです。(Oさん)