知識構成型ジグソー法
自分の言葉で説明したり、他人の説明に耳を傾けたり、わかろうとして自分の考えを変えたりといった、一連の活動を繰り返すことで、考え方や学び方そのものが学べることがわかってきています。
知識構成型のジグソー法は、型が明確・簡単で、多様な展開が可能なので、協調学習を目指した実践に適しています。
なお、この手法はCoREFが独自に開発した学習法であり、Aronson(1978)のジグソー法とは異なる狙いや手法の特徴を持っています。Aronsonの狙いが人種の融合など児童生徒の関わり合いの促進にあったのに対し、知識構成型ジグソー法の狙いは関わり合いを通して一人一人が学びを深めることにあります。したがって、知識構成型ジグソーは手法としても、明確な問いを設定して、学習の前後で問いに対する回答を二回求めるなどの特徴を持ちます。
STEP.0 問いを設定するまず先生は、単元での「問い(課題)」を設定します。この時、既に知っていることや、3つか4つの知識を部品として組み合わせることで解けるものになるように設定し、その問いを解くのに必要な資料を、知識のパートごとに準備します。 STEP.1 自分のわかっていることを意識化する「問い」を受け取ったら、はじめに一人で今思いつく答えを書いておきます。 STEP.2 エキスパート活動で専門家になる同じ資料を読み合うグループを作り、その資料に書かれた内容や意味を話し合い、グループで理解を深めます。この活動をエキスパート活動と呼びます。担当する資料にちょっと詳しくなります。 STEP.3 ジグソー活動で交換・統合する次に、違う資料を読んだ人が一人ずついる新しいグループに組み替え、さきほどのエキスパート活動でわかってきた内容を説明し合います。このグループでは、元の資料を知っているのは自分一人なので、自分の言葉で自分の考えが伝わるように説明することになります。この活動が、自分の理解状況を内省したり、新たな疑問を持つ活動につながります。同時に他のメンバーから他の資料についての説明を聞き、自分が担当した資料との関連を考える中で、理解を深めていきます。理解が深まったところで、それぞれのパートの知識を組み合わせ、問いへの答えを作ります。 STEP.4 クロストークで発表し、表現をみつける答えが出たら、その根拠も合わせてクラスで発表します。他者の意見に耳を傾けて、自分たちも全体への発表という形で表現をし直します。各グループから出てくる答えは同じでも根拠の説明は少しずつ違うでしょう。互いの答えと根拠を検討し、その違いを通して、一人ひとりが自分なりのまとめ方を吟味するチャンスが得られ、一人ひとりが納得する過程が生まれます。 STEP.5 一人に戻るはじめに立てられた問いに再び向き合い、最後は一人で問いに対する答えを記述してみます。 |
知識構成型ジグソー法の授業づくりについてはこちら をご参照ください