ノートを共有して吟味できる:ReCoNote(Reflective Collaboration Note)
認知科学のいくつかの研究を自ら関連づけて統合化することを狙った目的で行なっている講義で、その活動を支援するツールがReCoNoteです。
まずこのような活動をするのに講義では、グループ作業で1つの研究をまとめてReCoNoteのノートと呼ばれるものに記入します。このノートは他者からも見られます。これを参考にして、他のグループではどのような研究が紹介しているかを調べ、自分のグループの研究との関連性を見出す吟味活動を行ないます。そこでReCoNoteのリンクと呼ばれるものを使って、関連性のあるものにリンクをつけ、どのような関連性があるかを記入してもらいます。このリンクは他者からも見られます。これを参考にして、今度は他のグループ同士の関連性を見出して、それをReCoNoteのリンクを使ってリンクを作っていきます。つまり自分が分かっている領域知識をまとめ、そこから段々と別領域へと世界を広げつつその関連性を付けていくような活動とそのツールを使うことで、統合化を目指すような仕掛けをしています。
このような活動支援から、最初に調べた研究をより深く理解することができた上に、さらに他との研究との関連性を見つけたことで調べた研究の矛盾点などを見つける深い洞察ができていました。
>益川弘如 (1999) 「相互リンク作成による学習内容の再吟味支援とその効果-協調学習支援ノートシステムReCoNoteの活用-」 日本認知科学会 第16回大会発表論文集, pp.166-167.